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エドの独白的なもの。
移行その⑤
以下は以前書いたあとがき的なもの
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更新月間第一弾はSSSで。
題名の恋の花は吉井さんの新アルバムの中の一曲。
アコギ一本の曲で名曲です。
それを聴いてる時に思い浮かんだのがこの作品でして。
これは片思いの話になってますが、実際の曲の方は愛することの
すばらしさが唄われているのでイメージ曲とまではいきませんが、
藍原的に前向き?な話に仕上がりました(笑
(2006.10.10)
(2010.5 移行)
知ってしまった時から花ひらくそれは、
─── 恋の花。
「鋼の。」
いつもの呼び名で自分を呼ぶ相手。
彼の自分を射抜く漆黒の眼も、子供扱いして頭にぽんっと手を置く仕草も、
自分とは違う大人の声も何もかも、ちょっと前までは大嫌いだった。
「鋼の?」
そう呼ばれるのも、自分の過去を責められているようで嫌だったのに。
自分の力の無さを突きつけられているみたいで嫌だったのに。
「聞いているのか?」
いつからだろう?
低く響くその声が聞きたくなったのは。
いつからだろう。
ひやりと冷たく、だが優しい手の感触を欲しくなったのは。
いつからだったか。
自分を暖かく見つめている眼差しに気づいたのは・・・
「あまり無理をするな、鋼の。」
自分を気遣う言葉には優しさが含まれている。
それは親が子供を心配するような優しさで。
嬉しいけれど・・・すこし悲しい。
「分かってるって、大佐。」
この気持ちは気づかなければ良かったのか?
知らないままで行ければ良かったのか?
そうすれば悲しくはならなかったのか。
でも、
悲しさが無くなるよりも、この柔らかく暖かい気持ちを手に入れられたことが、
ずっといい。
ずっといいに決まってる。
小さく咲いたこの気持ち。
そっと咲いたこの気持ち。
大切にしたい、恋の花。
終